2019年のハードウェアエンコードの常識と2020年の展望

2020年2月20日ソフト/アプリ

2019年のハードウェアエンコードの常識

 昨年、2019年のハードウェアエンコードの常識がこちら。いずれも当時最新のデバイスに搭載されているエンコーダーを用いるものとする。

2019年動画圧縮規格別最適エンコーダー一覧

H.264/AVCIntel QSV
H.265/HEVCNVIDIA NVENC
VP9(QSVのみだが、
Windowsでは不可)
AV1(ハードウェアなし)

 エンコード前後の画質差の指標を表すSSIM値やエンコード速度を総合的に判断した結果(らしい)。

  • H.264/AVCは数年前から不動のQSV。
  • H.265/HEVCに関してはミドルレンジクラスのGPUでもBフレーム対応となったNVENCが一層優位となった。
  • VP9と新参のAV1は対応ハードウェアなし。

 H.264/AVCはQSVと書いたが、ゲーム配信や録画に関しては、多くのソフトでは、対象のゲームをレンダリングしているGPUと同GPU内のエンコーダーを利用する仕組みとなっているだろうから、QSVを使いたくても使えないという場合は多い。それでも速度だけはNVENCやVCEの方が速いので、これらが使われるまったくメリットが無いわけではない。

2020年の展望

  • Gen 11 GPU(QSVバージョン7)内蔵のCPU(Comet LakeではなくIce Lakeの方の第10世代。Ice Lakeは10 nm)のデスクトップ向けCPUの出荷が開始される見込みは薄い。このGPUを内蔵しているモバイル向けのCPUのベンチマークを見るとエンコード速度は速くなっているが、画質は分からない。
  • Gen 12 GPU(Intel Xe)(QSVバージョン8)内蔵のCPU(Rocket LakeではなくTiger Lakeの方の第11世代。Tiger Lakeは10 nm)のデスクトップ向けCPUの出荷が開始される見込みは同じく薄い。
    • Intel大丈夫だろうか……
  • 上記、すなわちIntel Xeの完全なコンシューマー化は年内にはあり得ないが、今後IntelのGPU全体の底上げに影響し、ハードウェアエンコードが改善される可能性はある。
  • なお、Rocket Lake(14 nmの第11世代)にはGen 11 GPU(QSVバージョン7)が内蔵される予定らしい(ソース)。
    • つまり、GPUだけで見ると……。ややこしい。
      • Comet Lake(第10世代、14 nm)=Gen 9 GPU(QSVバージョン6)
      • Ice Lake(第10世代、10 nm)=Rocket Lake(第11世代、14 nm)=Gen 11 GPU(QSVバージョン7)
      • Tiger Lake(第11世代、10 nm)=Gen 12 GPU(Intel Xe)(QSVバージョン8)
  • NVIDIAとAMDに関しては、大幅な改善や革新は無いと思われる。
    • CPUでもGPUでもイケイケのAMDだが、片やVCEといい古井戸(Fluid Motion)といい、動画系には需要なしとの判断なのだろうか。
  • VP9のハードウェアエンコードに関しては、各社特に態度に変化は無いと思われる。
  • AVIに関しては、2019年にIntelが主体となってソフトウェアエンコーダーをオープンソースで開発しているため、来年以降に何らかのアクションがある可能性は捨てきれない。

 結論としては、2020年はハードウェアエンコード界に大きな変革はなさそうだ。